2015-04-05(Sun)

祐飛さんのトップ時代

先週見た、NHKBSプレミアム「BMB」の後に行われた、
りかさんのインタビュー、率直な話しぶりに耳を傾けていた。
りかさんがトップだった日を思い浮かべ、
そして、他の元トップだった方や、祐飛さんの時代を思い。
トップスターにもいろいろいるものだと、考えていました。
 

きっと、トップ時代を楽しんでいた方もいらっしゃるだろうけど、
自分は、楽しめなかった。
真琴さんの下で2番手だった頃に比べると、その100倍も、
いや全然くらべものにならないくらい、プレッシャーは強くて、
トップってこんなに大変なんだと発見した。

観客動員、舞台の成功、みんな自分の責任。
自分が、宝塚の看板を背負っているという思い。
今夜は外食したい、と思っても、明日舞台だと思うと、すぐに家に帰る。
もし、前の夜に遊んで、翌日、ちゃんと仕事ができなかったらと考えると、
そうしてしまう。後悔したくなくて。

トップになったとたん、
誰も何も言わなくなる。先生も教えてくれない。
孤独。


  トップの孤独について、聞くのは初めてではありません。
前に、婦人公論の手記で、真矢みきさんが、
トップになったとたんに、組子と外出ができなくなった。
みんなと平等につきあわなくてはならないので、特定の人と親しく付き合うことが
できなくなった。
いつも、自分は一人だった、と書いています。

 そして、瀬奈じゅんさん。
テレビのドキュメンタリーで、稽古部屋にて。
一人で役作りに悩む顔がアップされていた。
先ほどのりかさんにもあったように、
うまくできていないという自覚はあるのに、誰もいわないのです。

トップは頂上のひとだから、遠慮して言わないし、
演出家も、トップの個性、特性を尊重しているから、ある段階になると、
だまって、見守るのです。
それは、わかるけど、辛いですよね。
ただ、その姿を、組子たちは見守っているだけでも、勉強にはなっている。
悩んでいる後ろ姿を見せて、下級生に教える、というのも、
トップの役目のひとつなのでしょう。

 それで、私は、大空ファンなので、祐飛さんの時代について考える。
祐飛さんは、孤独ではなかったと思う。
本人の口から、卒業後も、孤独だったと聞いたことがない。
 (銀ちゃんの孤独の孤の字を思いだすけど。
  確かに、あの舞台、あの場面で銀ちゃんは孤独だったけど・・スターだから。
  でも、銀ちゃんには愛する映画と、彼をとりまく仕事仲間はいたのです。
  それと本人の孤独感はまた、違うけども)

脱線した。祐飛さんの話に戻ると。
祐飛さんは孤独になっている余裕がなかったのです。
いきなり、宙組にやって来て、そこで宙組生とコミュニケーションをとらないことには、
生活が始まらなかったから。
お披露目公演の稽古で、すぐに自主稽古。そこで、講義する。
次々と、組子たちをニックネームで呼んで、それぞれに話しかけたそうです。
「おとめ」読んで、勉強した。
大空さんって、どんな人?と不安だった組子たちは、自分の名前を呼ばれて、
しかも、いい所や、ダメな所を指摘されて、うれしかったそう。

 だから、ほんとのお披露目「カサブランカ」では、
自分のカフェにいるリックのように落ち着いて、
舞台にいることができた。真ん中で輝くことができた。

祐飛さんはこうやって、宙組生とのつながりを開拓しながら、
トップとして成り立っていたのです。
いきなり、知らない組の頂上に立って、ひっぱっていくということ。
歌劇団が自分に望んでいることを知っていて、その責任を果たして行くのです。

トップが力のあるダンサーの場合、
振り付け家ははりきって、テクニックのあるダンスをショーに織り込むでしょう。
りかさんが退団公演で、外部の振付家から高度なダンスを求められたように。
 プロダクションノートで見ましたが、ほんと、悩んでました。

トップが力のある歌い手の場合は、
作曲者は、ここぞと凝った難曲を与え、それを鮮やかに歌いこなす
かっこいい場面を作るでしょう。
あるいは、一路さんの退団公演がエリザベートだったように、
外国から、高いお金を出しても、斬新なミュージカルを持って来たりするでしょう。
 (楽譜を前に悩んでいる一路さんを初めて見た、と雪組生たちが語っていた)


でも、祐飛さんは、ダンスの人でもなく、歌の人でもないから。
踊りも歌も、演技の流れのひとつ、表現として滲み出させる方だから。
一人で、孤高に努力することはできなかった。
演技は、周りとのコミュニケーションによって成り立つ。
だから、こうしてほしい・・こうやったら・・・と、周囲に持ちかけ、その関係を探りつつ、
みんなで作り出していく舞台でこそ、
その中で輝くことができたのです。

そして、孤独について、ちょっとだけ触れるなら。
中日公演の稽古の時に、
ダンスがどうしてもうまく行かない、祐飛さんの様子を見ていた、すっしーさんが
一緒に踊ってくれて、手掛かりをつかんだ・・という話を
二人が後でしてました。
 トップが一人で困っていたら、それに手を差し伸べてくれるのは、
 やっぱり、組長という存在かな、と。

トップになって、男役を極めるのが、祐飛さんの宝塚生活の最後の目的でした。
今、祐飛さんの幸せなトップ生活を思い出し、一緒に幸せだった自分のファン生活を
思い出し、こんなユニークなトップスターを温かく支えてくれた、
宙組のみなさまに感謝したいです。今更だけど。


最後に。
孤独は力になる。りかさんは、そうやって、いい仕事を残したのだし。
頂上の人は孤高でいいのだ。

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プロフィール

でるふぃ☆

Author:でるふぃ☆
 私の花畑へ、ようこそ!

北海道在住。塾講師。
ニックネームのでるふぃは、花の名前デルフィニウムから、つけました。
夏に咲く、背の高い青い花です。

宝塚ファンで、ささやかにおっかけをしています。
ライブの熱気に勇気や元気をもらっています。
ゆうひさんや、美弥ちゃんや、好きな花や本の話、
とりとめもなく話して行きます。よろしければ、お付き合いください。
 よろしく、お願いします。



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