DEATH AND THE MAIDEN ノート(11)

今日は、立ち止まって、
昨日の記事の文章について、説明してみます。

私が実際に祐飛さんが使った台詞とは違う内容の和訳をつけて
しまったので、混乱なされたかたもいらっしゃるでしょう。

英文を読むと、どちらにも取れる文が二つ。
でも、この訳の違いは大きい。ポーリナの心をのぞいてみたい。

まず、最初の文。これは昨日の記事に載せたもの。

  If I had mentioned Gerald, he wouldn 't have been
  named to any Investing Comission, but would have been
one of the names that some other lawyer was investgating.


この文は、仮定法。実際に起こらなかったことを述べる時は、
過去をひとつ戻すので、過去のことを言う時は、さらに過去形にする。
つまり、過去完了にしています。

直訳すると、『もし、自分がジェラルドのことを述べなければ、
彼はどんな委員会にも任命されることはなかっただろう。
かわりに、その他の弁護士から調査される対象の一人になったことだろう』

次に、下の文が来ます。このことに関しては、この二つの文のみです。

  And I would be in front of that Comission to tell them how I met
  Geraldo-in fact I met him just after the military coup,
  helping people seek asylum in emassies-saving lives with Gerado,
  smuggling people out of the country so they wouldn't be killed.


『そして、私は委員会のメンバーの前で、
   どういう風にジェラルドに会ったかを話したことだろうー実際のところ、
   軍隊のクーデターの直後、大使館の避難所を探す人々を助けたり、
   人々を国外に逃がしたりもした、それで彼らは殺されずにすんだ』

  この上下の文をあわせて、昨日、夜野さまがどういう
  台詞になってたかを書いてくださいました。

   もしバラしていたら、彼は、査問委員会のメンバーに選ばれることはなかった。
   尋問を受ける側に回っていたかもしれないわね。
   そして私は、査問委員会に彼のことを訊かれることになったかもしれない。

     (おそらく、拷問でジェラルドは敵に寝返って、委員会には尋問される側に
      なったということだろうと、解釈)

私は前の文、後半を
   もし、ポーリナがジェラルドの名前を言っていたら・・
   ジェラルドは、他の弁護士の誰かに調査される側の一人、
   (つまり、もう死んでいる)になっていただろう
、と訳しました。

そして、後の文は、
   ポーリナは、家族として、ジェラルドの調査に立ち会い、
   彼との出会いや、その後の活動について説明しただろう、
と、考えてます。


前の文、 invest は調査する、捜査する、などの意味がありますが、
それが、被害者と加害者の、どちらにもとれるということが、
曖昧さの理由です。

青井さんは、後の文でポーリナが、ジェラルドを弁護するために、
敵側に下る前は、いかに彼は人々のために尽くしたか・・を訴える
場面を想定したのでしょう。

どちらの意味にしても、ポーリナはジェラルドに自分ほどの強さはない、と
思っている。
自分は耐えて、ジェラルドを守ったというプライドが、
彼女を強気にしてます。(もうひとつ、貸しがありますし)

私は、ジェラルドは男性で、ポーリナよりも年長だからグループでの位置は高くて、
より、敵からの拷問は激しく、彼は殺されてしまったことだろう、と
ポーリナが想像したと、考えた。(考えたい、かも)

それまで、委員会の仕事について、拾ってみると。
ジェラルドは、『死者について、その家族に聞いて回る仕事』だと説明している。
『死者だけしか扱わない、加害者には判事も何もできない』などという不満も
夫婦の間で、くずぶっていた。

ジェラルドがロバートに、『委員会の仕事は限界があるんです。
加害者の名前は公にはされないでしょう。軍隊が介入してくるので・・』と
いったことを述べている。
それを踏まえて、ストレートに考えれば、
ポーリナは、家族として委員会の調査を受ける方が、状況としてはあり、かなと。

あえて、青井さんは、ポーリナの心の屈折を表すために、
ストレートでない訳の方を選ばれたのでしょうか。
ロベルトは、私が大変な時に他の女といたように、裏切ることもあるんです・・と。
 考えすぎでしょうか。

私は、ポーリナは、ロベルトに関してはゆるぎなく厳しいですが、
ジェラルドには、揺れる女心もあり、ジェラルドの正義感には一目置いていると
いう思いがあります。
拷問に耐え切れず死んでしまう、という想像を取りたいです。

 作者のドルフマンさんに、実際にお伺いしたい。
彼はこのクーデターが行われたときに、国外追放された。
その後、この戯曲の構想を練り出した。
最初は単なる、被害者と加害者の劇のテーマだったのですが、

実際に、この委員会活動が行われ、死者に関する事実のみの
レポートで終わったことを嘆いて、
ジェラルドという人物を思いついたそうです。
こんな背景があるので、委員会の尋問というのは信ぴょう性がないのでは・・
でも、逆に作者の願いを託したのかも、などと考えると、わからなくなります。
 ほんと、不思議で、魅力のある作品です。
 祐飛さんのおかげで、世界が広がりました。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

No title

でるふぃさま

(10)の変更部分、修正が乱れているみたいです。ご確認くださいませ。

さて、でるふぃさまも気づかれていると思いますが、青井先生、どうも、ジェラルドーに厳しい気がします。
ポーリナに対しては同情的だから、よけい…なのかもしれませんが、ジェラルドーというキャラクター、お気に召していないのかもしれません。

すみません!

夜野さま
コメントありがとうございます。

(10)については男言葉に直すとき、夜野さまのコメントを
参考にしようとコピーして、それを消すのを忘れたまま、
アップしてしまいました。ほんとに失礼しました。

青井先生がどうして、こんなアプローチの訳をなさったのか、
不思議でしたが、
そうか・・ジェラルドに男のずるさや、甘さを見てしまって
いるのかもしれませんね。

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
プロフィール

でるふぃ☆

Author:でるふぃ☆
 私の花畑へ、ようこそ!

北海道在住。塾講師。
ニックネームのでるふぃは、花の名前デルフィニウムから、つけました。
夏に咲く、背の高い青い花です。

宝塚ファンで、ささやかにおっかけをしています。
ライブの熱気に勇気や元気をもらっています。
ゆうひさんや、美弥ちゃんや、好きな花や本の話、
とりとめもなく話して行きます。よろしければ、お付き合いください。
 よろしく、お願いします。



CURRENT MOON

最新記事
英作文のフルーツフルイングリッシュ
リンク
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Nice to meet you!
アルバム
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR