DEATH AND THE MAIDEN ノート(13)

 さて、今夜もよろしければ、お付き合いください。
夫婦の言い争いが続きます。
 They raped you.(彼らは君をレイプした)と、ジェラルドに言わせた後で、

    How many times?(何回?)と、つめよるポーリナ。
 
  一回以上と答えるジェラルドに、また、何回?と聞きかえす。

  君は言わなかったよ。数えてないって、言っていたじゃないか。

      It's not true.(それは、真実じゃないわ)
      私は数え続けていた。何度か、知ってる。
  
  あの夜、あなたに言った夜、あなたに話し始めた夜、
  あなたは、そいつらを見つけたら、どうするって、言ってた?
  裁判にかけるって言ってたでしょ。
   ・・・・・
      今、それをやるのよ。私たちが。

    That was fifrteen years ago.(あれは、15年前のことなんだよ)

      誰がドクターに対する私の告発を聞いてくれるというの。
      あなた? それとも、あなたの委員会?

    僕の委員会?君のおかげで、僕はほかのすべての犯罪を調査できなく
    なるかもしれないんだよ。そして、僕はやめることになる。

      メロドラマみたいね。あなたがそうやって眉をひそめて、しわを寄らせると、
      10歳は老けて見えるわよ。
      そして、人々は新聞紙面にあなたの名前を見つけたとき、
      誰もあなたが委員会で一番若いなんて、信じないわよ。

    (ちょっとからかい気味のポーリナに、ジェラルドはキレそう)

      君は聞いてないのか? 僕は委員会をやめなくてはならなくなるかも
      しれないんだよ。     
      こんなことをして、敵側の勢力に足をひっぱられるかもしれない。

    
 ここら辺の夫婦の争いが長くて、
で、ポーリナは、ロベルトがいる部屋に戻ってきて、
彼が逃げようとするのを見つける。男の声に変わる。
   
   Hey, don’t you like our hospitaliry?
   Want you leave so soon, bithch?
   Tell me you’ll miss me.
  
     (おい、俺たちのおもてなしが気に入らないのかい?
      そんなにすぐに逃げたいのか、雌犬め・・・
       俺が恋しいと言えよ)

  ロベルトの身体をゆっくり手で上下させていた、まるで
  愛撫のように・・・ポーリナがテラスに戻ってくる。

     It’s not only the voice I recognise, Geraldo.
   I also recognise the skin. And the smell .

     (声だけじゃない、ジェラルド。彼の膚、匂いでわかるの)

 それなのに、彼を逃がせというの、というポーリナに。

   君はずっと今でも、幽閉されている。15年間、生活の中で
   何もしなかった。自分を見つめなさい。
   新しくやり直す時だよ・・
   彼らの思い出から、自分を自由にしてやるんだ。お願いだ、ポーリナ、
      と、悟すジェラルド。

 ポーリナは同意しない。ジェラルドが委員会のことを心配しているので。

  この個人的な裁判は、何も委員会に影響はもたらさないわ。
  あなたは、私が何か委員会にトラブルを持ち込むと思ってるの。

  行方不明の幽閉者がどこにいるかなんて、探すのはやめて、
  彼らがどうやって、殺されたかを、
  彼らがどこに埋められているかを調べたらどうなの?

  委員会は亡くなった人しか、扱わないのよね。
  その人たちは、しゃべることができない。

   でも、私はしゃべれるの。
  私は何年もの間、自分が考えていることをささやくことだって、しなかった。
  ずっと、恐怖の中に閉じこもっていた。

   but I'm not dead. (でも、私は死んではいない)

   しゃべることができる。
  お願いだから、あなたは自分の委員会の仕事をして、
  ここでのことは誰も知ることがないってことを信じてよ。


今回は、夫婦の会話がなかなか、短くまとめられなかった。
最後の、ジェラルドの考えも、すごく真っ当だと思うんです。
15年間、ずっと、トラウマを抱えて自分の中から出てこなかったポーリナ。
最初は、ポーリナと一緒に怒っていたジェラルドではあるが、
彼は外で仕事をし、外の世界の刺激を受け、変わって行く。
もう、忘れていいんだよ、と彼なら言える。

  15年って長いけど、ポーリナは無理だったんだな。
ここで、私は「誰がために鐘は鳴る」の、マリアを思いだした。
同じように、内戦でレイプされて、丸坊主にされ、町長の娘だからって、
一番、ひどい目にあわされたって、本人が言ってた。

  もう、いいんだよ・・忘れなさい、と優しくロベルトが言って、
彼の愛で、マリアは癒されていく。
ここでのロベルトは(同じ名前、ドクターと!)ヘミングウェイの理想の男だから、
強くてかっこよくて、包容力があるのだけど、
なかなか、こんな男はいないわね。

ジェラルドの方が、よりリアル。気持わかる所もある。
 ポーリナは、マリアになれないし、
 ジェラルドは、ロベルトになれない。そんなにシンプルにはなれない。
でも、誰がための、ロベルトとマリアがあんなに切望して、手に入らなかった
結婚生活と平和があるのに・・・しあわせじゃないんだな。


   *NICK HERN BOOKS DEATH AND THE MAIDEN 
              by  Ariel Dorfman  を参考にしています*

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No title

でるふぃさま
緊迫した夫婦の会話、毎回、胸が張り裂けそうな気分で観ていたことを思い出します。
ジェラルドーがさすが弁護士だなーと思ったのは、ポーリナが査問委員会のことを口にした途端、それをたてに反論を試みたこと。
相手の発言をすぐさま、自分の論に引用する。頭の回転がすごく早い。
だからこそ、ポーリナもまた、細心の注意を払いながら、彼を揺さぶっていく…
お互いを知り抜いた夫婦だからこその心理戦が、こうして、文章で見ていくと、とても面白く感じられます。

夜野さま

ジェラルドは、ポーリナに揺さぶられているようでいて、
冷静に、いいタイミングで、つっこむのです。

 この3人が一体、どういう人間なのか、
私はいまだに確信ができてません。
祐飛さんは、この芝居はあてどない旅のようなもので、
結末も観客の方それぞれの考え方で・・と言ってました。
舞台で観たときは、心がひりひりするような感覚もありましたが、
今はのんびりと、小さな本片手にぶらぶら歩いているような、あてどない旅を楽しんでいるような気になっています。
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Author:でるふぃ☆
 私の花畑へ、ようこそ!

北海道在住。塾講師。
ニックネームのでるふぃは、花の名前デルフィニウムから、つけました。
夏に咲く、背の高い青い花です。

宝塚ファンで、ささやかにおっかけをしています。
ライブの熱気に勇気や元気をもらっています。
ゆうひさんや、美弥ちゃんや、好きな花や本の話、
とりとめもなく話して行きます。よろしければ、お付き合いください。
 よろしく、お願いします。



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