DEATH AND THE MAIDEN ノート(19)

いよいよ、私設査問委員会の開始です。
ここは、具体的に事件について述べられるので、
キツイのですが、省けません。文もあまり短縮できそうにない。




例の夫婦の和解の後、

 ジェラルド 「こんな風に、今回の騒動もお互いに隠しごとなく、切り抜けよう。
         一緒に」

 ポーリナ 「こんな風にね」

    (・・って言いながらも、騙し合いの二人なのだが)

  録音が始まる。

ポーリナが自分の名前、事件の起きた日、誘拐された状況について、
詳しく語る。
ジェラルドが細かく手順を教えている。さすが、法律家。


 午後2時15分に道の角にきたとき、
 背後で車から3人の男が降りてきた。
 そのうち一人が、私の背中に銃を押しあてた。
 「しゃべったら、ぶっぱなすぞ」と、私の耳に吐きかけた声は、
 ニンニク臭かった。

      ・・・・・・・

 私は声も出せなかった。私はすごく簡単に誘拐された。
 すべての人生で今まで、私は従順すぎたの」

    (ライトが落ちて薄暗がりになる)

 ドクターはその男たちの中にはいなかった。
  ドクターに会ったのは、その3日後。
 

   (ライトはさらに暗くなり、ポーリナの声が暗闇の中で響く。
     カセットレコーダーだけが、月の光に照らされている)


 最初、私は彼が救ってくれると思った。
 彼は柔和で、今まで私を扱った他の男たちとは違った。
 そして、突然、シューベルトが聞こえてきた。
 暗闇の中で聞こえるシューベルトは素晴らしかった。
 3日間何も食べず、身体がボロボロになった者にとっては。
   

  (ポーリナの声に、ロベルトの声がオーバーラップする)

 私は音楽をかけた。
 その方が、良い人に思われるから。
 そして、囚人たちの苦痛を和らげられるから。


    (月が出てきたかのように明るくなり、夜中、
     ロベルトがカセットレコーダーの前で告白している)

 囚人たちは死にそうで、信頼できる誰かの助けが欲しいと言った。
 私には秘密警察で働いている兄がいた。
 ある日、兄は、お前は父親がやられた仇を、コミュニストたちに
 返せるぞと、言った。
 私たちの父親はラス・トルテカスで農民たちの暴動により土地を奪われた。
 その日に、心臓発作で倒れた。
 彼はまひして、話すことができなくなったが、その目が言っていた。

   
       Do something.(何かしろ)・・・これは、おそらく
          仕返ししろ、という意味だと解釈しました。

 いや、このことが、私が任務を引き受けた理由ではない。
 ほんとの、ほんとの真実を言えば、
 人道的な理由だ。
   ・・・・・
 私はデリケートな作業に立ち会うことになった。
 私の仕事は、囚人たちが拷問を受けて、このまま拷問を継続していいかどうか、
 決めることだった。
 最初、私は、自分は囚人たちの命を守るためにやっているのだと、
 自分に言い聞かせていた。

  だが、後にだんだんと、快感を覚えるようになって行った。
 美徳の仮面が滑り落ち、私は興奮の沼地で自分のしていることが
 見えなくなっていた。
  
 By the time Paulina Salas was brought in it was already too late.
       Too late.
   (ポーリナ・サラスが連れて来られる前に、すでにそうなっていた。
                    彼女が来るのは遅すぎた)



      この後が、さらに辛いです。今夜はこれで。
    *NICKHERNBOOKS  DEATH AND THE MAIDEN
                    by Ariel Dorfman を参考にしています*


    

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でるふぃさま
いよいよ、終盤ですね。
舞台では時間の経過がまったくわからなかったので(背景が黒の上、照明が時間の経過を表現していなかった)、ト書きを書いていただけてうれしいです。
「Do something」のところ、風間さんは、「何かをしろ、と」とおっしゃっていましたね。私も復讐という意味に受け取りました。
連休中には、最後まで行くでしょうか?
ドキドキしながらお待ちしています。

夜野さま

本の残りが薄くなってきて、ほっとしているような
寂しいような気持ちです。
ポーリナをとても身近に感じています。
ずっと併走してきてくださった夜野さま、ありがとうございます。

明日から帰省するので、2,3日、このノートをお休みします。
実家にはパソコンがないので。スマホで長文を書くのが苦手です。
 ごめんなさい。
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でるふぃ☆

Author:でるふぃ☆
 私の花畑へ、ようこそ!

北海道在住。塾講師。
ニックネームのでるふぃは、花の名前デルフィニウムから、つけました。
夏に咲く、背の高い青い花です。

宝塚ファンで、ささやかにおっかけをしています。
ライブの熱気に勇気や元気をもらっています。
ゆうひさんや、美弥ちゃんや、好きな花や本の話、
とりとめもなく話して行きます。よろしければ、お付き合いください。
 よろしく、お願いします。



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