2016-01-13(Wed)

地獄に行ったっていい

昨日の続き、
ヘミングウェイに、名作と称賛された、「ハックルベリーフィンの冒険」
私はぼんやりした記憶しかないのですが、
この場所の加島先生の解説で、その尊さがわかりかけた気がしています。
この背景となった時代のこと、知らなくてはいけない。

 All right,then, I'll go to hell.

(もしそうなら、俺、地獄に行ったっていいや)

 from Mark Twain "The Adventure of Huckleberry Finn"
Go to hell! (地獄に行け!)という表現は、今でもよく、
テレビドラマや、映画で聞くことがあります。
主として相手をののしるときに使う。悪い言葉ってインパクトあるから、結構耳にはっきり
残ってしまいます。冗談っぽく言ってる時もありますが、
ここでの地獄行は、主人公ハックにとっては、重大な意味をもつのです。

少年ハックは、飲んだくれで狂暴な父親から逃げ出して、ミシシッピー河を
いかだで下り始める。
同じ町に住む黒人奴隷ジムも、主人から逃げて、ハックと一緒にいかだを下る。
当時の南北戦争前のアメリカは、南部の法律では、
黒人奴隷が脱走するのを助けると罰せられることになっていた。
 ・・・・・・・・・・・・・
教会でさえ、そんなことをするものは死んだら地獄に落ちるぞ、と教えた。
それが、社会の常識だった


 だから、ハックは自分はこんないけないことをしていると、
死んだら地獄にいくことになるんだ、改心して、ジムのことを主人に知らせようかとも思う。
しかし、同時にハックは、ジムがどんなに優しかったか、愛情深くいたわってくれたかを
思い出す。
そして、この言葉をつぶやくのです。彼にとっては、命をかけた、いやそれよりも
重いかもしれない決断です。

 私は、紙芝居で河下りの場面を、こんな社会事情が背景にあるなんて思わずに、
ぼんやりと見ていました。
そして、この加島先生の文章も今頃になって、まじめに読んで発見しているのです。
今頃。先生が亡くなった後に。

 今回は引用が多いのですが、最後の方。
その時代の社会道徳や、「常識」というのは永久不変の真実みたいにみえるけれど、
時間がたつと正反対になっていたりする。
何が正しいことかなんて、そう簡単にはわからない。
 ・・・・
ハックルベリー少年は「外側」の社会からくる脅迫の声をふりきり、
自分の「内側」にある人間愛の声に従おうとする。
これはハックという少年の人生で、最も大切な一瞬なのだった


 この文章を読んでいるだけで、昔の忘れていた物語が、
きらきら蘇る気がしています。
若い、柔らかい心の人に向かって、真摯に投げかけた言葉がいっぱいつまっている
本なのです。

    * 加島祥造・著「英語名言集」を参考にしています。
       青字は、本書より引用した文です。

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でるふぃ☆

Author:でるふぃ☆
 私の花畑へ、ようこそ!

北海道在住。塾講師。
ニックネームのでるふぃは、花の名前デルフィニウムから、つけました。
夏に咲く、背の高い青い花です。

宝塚ファンで、ささやかにおっかけをしています。
ライブの熱気に勇気や元気をもらっています。
ゆうひさんや、美弥ちゃんや、好きな花や本の話、
とりとめもなく話して行きます。よろしければ、お付き合いください。
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