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2018_07
03
(Tue)15:34

「グッド・バイ」 太宰治と、ゆうひさん

おもしろかった!というのが、最初の感想。
今また、ぼちぼち、太宰治を読んでいます。
「おさん」という作品。
見合い結婚をした夫。敗戦後、出版社に勤めていたが失業した。
生活能力がないが、革命を語る夫。
それでも、3人も子供がいる。別れるわけには行かない。
ある日、ふと出かけて行った夫は、他の女と諏訪湖で心中する。

 「斜陽」と同じ。戦後の混乱した中、
無気力に、死んでいく=男。生活を支え、これからも生きていく=女。
この構図は変わりません。

この作品は太宰の死の1年前に書かれたものですが、作家自身の人生の終末を
予言している。
なんて、スキャンダラスな・・・と当時を知らない私は想像する。
ある意味、死に取りつかれたひとなのに、文章は冷静で、
流れるように美しい日本語だ。だから、今も読まれている。
単にスキャンダラスなだけではなかった。

どこかで、自分の分身でもある男をみつめている、冷静な作家である太宰。
戦後、自信をなくしてしまった男たちの代弁者の一人のようにも思っていたけど、
やはり、違う。強烈な個性。そして、女性へのこだわり。

その人生にはいろいろ葛藤があった。
でも、今も太宰の本は読まれている。こうやって、演劇にもなって、私たちをひきつけてくれる。
同じ時期に公演されている、「ラストパーティ」のスコット・フィッツジェラルドについて
書いたときも、似たようなことを思っていた。

  ゆうひさん、似合っているな。こういう世界に。
はっきりものを言い、がつがつ食べるキヌ子は、私、ゆうひさんの 復帰第一作である、
「唐版滝の白糸」の、お甲さんを思い出す。
まっかなドレスですっくと立っていた。がれきの中で。
小人さんたちを助けて、これからも身体をはって行きていく、という感じの女。
背景にハンガーが揺れていて、洋ダンスの上に立っていたっけ。

キヌ子も、赤いドレス。そして、キヌ子の部屋の洋ダンスは、どらえもんの道具のように、
魔法の場所。キヌ子と修治が交錯する。
修治の背景に、母親や女中が大きな存在であったか、を初めて知った。
豊かに、太宰のすべてを受け止める妻、美知子には母性を感じる。
彼女が、太宰の生活の面倒をみなければ、彼は小説家として、
成り立たなかっただろう。

もう少し、太宰を読んでみたい。
太宰を読んでいたのは十代で、あまり世の中のことをわかっていなかった。
今は、太宰の亡くなった年よりも私はずっと年取っているし、
子供も夫もいる。いまだに太宰のような男はごめんだとは思っているけど。

ゆうひさんのおかげで、晩年の蜷川演出の劇を味わうことができた。
「死と乙女」や、「円生と志ん生」の本を買ってじっくりその背景を考えることもあった。
今まで知らなかった劇場や、演劇集団に出会った。
ときにはぎょっとさせてくれたり、
今もなお、新鮮でいてくれるゆうひさん。
 やっぱり、目が離せませんね。

  どういうわけか一番印象的だったのは、酔っぱらった時の
  カアカアからすの、ゆうひちゃんです。可愛かった。

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-  2018, 07. 13 (Fri) 21:04

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でるふぃ  2018, 07. 14 (Sat) 00:55

コメントありがとうございます!

こちらこそ、ご無沙汰です。
ほんとうに、斬新でしたね。その斬新さには赤が似合います。
私たち、これからまた、今までに見なかったゆうひさんに出会えそうですね。
まだまだ、ファンの道が続いていると思うと、うれしいです。
 そうかぁ、初台詞は、いてっ。カラス関連でしたね!^^

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